どこでこんなに変わってしまったのやら

M.P.A P-1はロータリーランチャーを装備するのか?

ロータリーランチャーと言ってもB-1やB-52のアレではなくて、ソノブイランチャーのこと。
NimrodやP-8Aが積んでるアレで、回転式ラックで一つの穴からボトボトとソノブイを落っことしていく機材だ。
MPAのソノブイランチャーには他にも事前装填式や手動装填式とかもあり、P-3はこの二つを併用している。
P-1のソノブイランチャーは事前装填式と思われるS1〜S30と機内装填式と思われるP1〜P4、AR1〜AR2及び他より直径が大きめのFFで合計37個。
機内装填式と思われる7個はチューブの角度がほぼ垂直で、事前装填式の30個はP-3と同様に斜めになっている。
でもって機内装填式の7個はP-3と同様に手動装填だとばかり思っていたが、どうもロータリーランチャーっぽい。
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y6/nyuusatsu/K-21-5500-0001.pdf
21年度厚木基地公示第21号のXP-1実用試験に係る技術支援契約者募集要項であるが、別紙3/5にP-1の武器システム構成機器が載っている。
でもってソノブイ・ロータリ・ランチャと思いっきり書いてある、ということはP-1の機内装填式ランチャーのうちどれかはロータリーランチャーということになるのだ。
どれか、というのはロータリーでない手動装填のランチャーも書いてあるからで、与圧ソノブイ・ランチャというのがそれ。
でランチャーの名称から推測するとAR1とAR2がロータリーランチャー、P1〜P4が手動装填ランチャーと思われる。
ついでにFFは多分フリーフォール・シュートと書いてある、ソノブイ以外の色んな物を投下するっぽいやつ。
ちなみにAR1〜2は胴体右舷寄りで前後間隔がS1〜S30の倍程度、P1〜P4の4倍くらい離れて配置されている。
P1〜P4は左舷寄りで前後間隔がかなり近い位置に並んでおり、その後にFFが続く。
AR1とAR2の位置が離されているのは、恐らくロータリーランチャーのサイズ分だけ離した為であろうかと。


さてP-1はソノブイランチャーを3種類も積んでいるということになるのだが、問題はなぜこんな構成にしたかである。
とりあえず3種類の特徴を適当に掻い摘んでいくと、まず事前装填式は艦艇のVLSと類似性を見出せる。
ランチャーが弾庫を兼ねるVLSは即応性とスペース効率に優れ、また一部が故障しても完全には能力を喪失しないという特徴も有する。
事前装填式ソノブイランチャーもほぼ同様の特徴を持つと考えて良いが、スペース効率についてはVLSとやや異なることがある。
基本的に事前装填式ではランチャーチューブを胴体下部の非与圧部に収まるようにして、キャビン通路にはみ出さないようにする。
だがこれでは胴体上部の与圧キャビン左右空間にデッドスペースが生じることとなる。
この与圧キャビン空間にソノブイを置き、床面を貫いて配置するのが機内装填式ランチャーだ。
機内装填式はキャビン通路を妨げないように片舷寄りで配置され、同様に胴体片舷に置かれたソノブイラックから操作要員の手でソノブイを装填する。
ただしこの方式は人の手でソノブイを装填するので、極端に早い速度でソノブイを射出することが出来ない。
これを克服するのがロータリーランチャーで、装填されている本数内である限りは短時間で多数のソノブイを射出することが出来る。
ただし装填された分を撃ち尽くしたら人の手で装填しなければならないのは同じこと。
また構造的に複雑である為に故障リスクが他方式より高く、復旧も容易ではない。
要するにこれら3種類のランチャーはそれぞれに長短があり、ペイロードと胴体容積に余裕があるなら全部積んでおきたいというものなわけだ。


ちなみにP-8Aはロータリーランチャーを三つばかり、他形式のは積んでない。
開口部をあまり増やしたくないという事情もあろうが、故障リスクとか考えるととっても不安。
逆に非与圧とはいえボコボコ開けまくったP-3がいかに普通じゃなかったかということでもあるのだが。

M.M.A P-8AはMADを装備するのか?

そんなP-8Aであるが、ようやくMAD装備状況についてのソースが付いた。
http://www.gao.gov/new.items/d09326sp.pdf
理由は明記されていないがMAD関係についてはアンテナが降ろされたのが確定。
ということはあの尻尾は中身が詰まってないことになるのだが、インド向けのP-8Iではモノが何かは知らないがMADセンサを搭載するとかなんとか。
にも拘らず他のシステムで性能的にOKとか言ってるのがなんとも。
あとロータリーソノブイランチャーも昨年度のMADのように critical technology 指定をばっちり受けてしまっている。
こんなもんNimrodとかで実績あるのになんで問題が起きるのかと思うが、とにかくP-8Aの不安要素になってしまったのだった。


あと1号機が初飛行したり2号機が海軍の塗装でお披露目したりしてた訳だが。
http://www.boeing.com/defense-space/military/p8a/news/2009/q2/090426a_nr.html
http://www.boeing.com/defense-space/military/p8a/news/2009/q2/090505b_pr.html
何でわざわざハイビジなん?
今まで公開してたグレー塗装のイメージは何だったん?
機体姿勢の認識性向上を狙ったTRDIの赤ラインならまだしも、今更単なるハイビジ塗装にする理由が判らない。


ついでに別ページでBAMSに触れてるのだが、なんかP-8Aに操作要員を配置するとか書いてある。
そんなもん置く場所あるのかとか懲りずに追加要求ですかとか色々言いたいことはあるのだが、一番言いたいのは活動時間のギャップ。
BAMSというかRQ-4に限らず滞空型無人機の飛行時間は24時間以上とか当たり前の世界、一方有人機の飛行時間なんて固定翼哨戒機でも半日あるかないか。
そんな有人機から無人機の何を操作するのか、というか機上で操作してBAMSに何をやらせるのか。
ぶっちゃけASW/ASuwに関してBAMSは広域海洋監視しか出来ないし、させることも出来ない。
そんな無人機に機上から操作、というかコマンドを出すとしたら監視領域の変更とかスキャニング間隔の変更ぐらい。
BAMSとP-8Aがそれぞれカバーし得る範囲を考えると無駄っぽいし、そもそも他のコマンドとバッティングしたらどうすんだと。