|_,ハ
|∀`;, 任務欄が綺麗に片付いたので長らく放置していた疑問の考察モサリ
| ゙u'  書き上げた後からCGを急造する泥縄っぷりモサリ
|''u'゙

MAU-12の怪

P-1用として調達整備されているラック類のうち、一つだけ用途がはっきりしないMAU-12。
性能的にはBRU-47と重複するこれの用途を示唆する調達公示を、最近になって見つけることができた。
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/zd/nyuusatsu/K-26-1624-0008.pdf
項番890にてMAU-12C/A MOD3が掲示されており、適用機種としてXP-1の他U-36AとUP-3Dが挙げられている。
U-36AとUP-3Dは主に曳航標的やチャフポッドを搭載しての艦艇向け訓練支援を実施しており、性能は別として用途は概ね同様のものである。
このうちU-36Aは事故によって調達した6機中2機が失われており、UP-3Dも3機中1機が豪雪被害による破損で修復中となっている。
また事故損失のみならず機体寿命によるリタイアも遠からず見込まれており、特にP-3Cと同時期に納入されたU-36AはP-1の整備調達期間内に退役することが予想される。
こうした観点から作戦機として整備されるP-1に、標的曳航やチャフ散布などといった訓練支援の一部を担わせることで現用機の部分的な代替とするのではないかと考えられる。


余談だがU-36AのパイロンにはMAU-12の装着が間違いなく確認できるのだが、UP-3Dのパイロンはどう見てもBRU-15が付いてるものしか見つからなかった。
P-1のパイロンもBRU-47とLAU-117以外は確認されていないが、UP-3DのMAU-12もある種の怪事である。
もしかするとP-1が曳航標的ポッドを搭載する時も、BRU-47付きのパイロンを使うのかもしれない。

MAU-12に見出す別の可能性

U-36Aに使われているMAU-12であるが、空自もF-15とF-4で使っていることは(少なくともU-36Aよりは)有名だ
またC-130の翼外舷に装着する多用途パイロンにも組み込まれているようで、Cobham社が製造するKC-130用空中給油ポッドはこれを介して装備する。
https://www.cobham.com/media/76904/Pylon%20ADV10605.pdf
この空中給油ポッドはプラグ&ドローグ式であり、空自においては現状回転翼機専用である。
回転翼機への空中給油は母機に相当の低速飛行能力が求められるため、これに用いられている機材は今のところC-130のみ。
空自はC-130の一部を改造することでこの用途に充てているが、今後C-130が寿命に達した時の代替としてP-1のMRTTモデルという可能性が見えて来る。
先月の厚木で3空のTACOに聞いたところでは、P-1の失速速度はP-3Cと同程度との証言が得られており、またPからは高速域低速域共にP-3Cより飛行可能な領域が拡大している旨の話も聞けている。
P-3Cの失速速度はエンジン停止かつ最大離陸重量64.4トン時に125ノット、これより4.4トン軽いフェリーフライト時の離陸重量では121ノットとなっている。
またKC-130と同じく回転翼機向けの空中給油機能を宣伝していたA400Mの資料によれば、回転翼機への給油時の速度はおおよそ110〜140ノットとしている。
重量にいくらかの制限が生じるであろうが、P-1が回転翼機と同程度の速度で飛行することは可能ではないかと推測される。
そして仮称P-1MRTTは回転翼機への給油のみならず、フライングブームを装備しての固定翼機への給油も期待される。
C-130では機体の形態からフライングブームの装着には著しい困難が伴い実質不可能であったが、P-1の機体形状はフライングブームの装着に十分適した形状であると考えられる。
P-1の形態はまたキャビンの貨物室としての利用も容易であり、この方面においてKC-767の補助的な役割を担い得る。
更に欲の皮を張るなら訓練支援などの用途にも用いる為に、ドローグポッド用のパイロン以外にも曳航標的や空対空用標的を吊るす為のパイロンを装着するという発想もある。
もっとも空中給油・輸送機にそこまでやらせる余裕があるのかどうかは定かではないが。


余談、A400Mの回転翼機向け給油機能はプロペラ後流の影響が強過ぎるとして仕様から外されたという報道がある様だが、エアバスミリタリーの公式サイトではEC725への給油シーンを掲げ今も回転翼機への給油機能を謳っている。
ただ当該の写真はコラらしく、別所で見つかった高解像度の写真を見る限りドローグポッドの形状が全く違うのだ。
EC725への給油試験は本物であろう映像がちゃんとあるのだが、映像中ではドローグへの接近止まりで肝心のドッキング状態には至っていない。
試験映像は他にF/A-18を対象にしたものもあるが、こちらはちゃんとドローグとのドッキングも映されている。
試験で問題が生じた後のフォローが判然としないのは軟弱地盤への着陸試験も同様で、A400Mはこのあたりがいささか不用意に見える。

最近までの妄想

という訳で仮称P-1MRTTのCGである。
http://www.heinkel.jp/images/p1mrtt.jpg
上での妄想の通り、フライングブームとキャビン左舷の貨物扉追加と外舷ウィングパイロンへのドローグポッド装着及び残りのパイロンへの空対空用小型標的装着が主要追加点。
この他にESMアンテナやAIFFの撤去などもやってる。
なお小型標的は本文書き上げた後に着手した超急造品なので悪しからず。
良い機会なので最近までに何処ぞでURLだけ流してたCGも出しておこう。
http://www.heinkel.jp/images/p1rotodome.jpg
http://www.heinkel.jp/images/p1aew_plan.jpg
まずはP-1のAEW化絡みで作ったもの。
一枚目は風洞試験用の公式模型コラが皿回しだったのを受けてのもの。
二枚目はAPY-9搭載案や警戒管制レーダを元にするという報道、段階的機能実装案の記事などを受けて作ったもの。
慌てて作ったせいでAIFFやらMADブームやらが残っている酷いもんで、あまり語る様なことも無い。
http://www.heinkel.jp/images/p1bmd.jpg
今度は長距離ウェポン搭載母機に関する調査研究の公示に触発されて作ったもの。
http://www.mod.go.jp/asdf/2dep/file/nyuusatsu/27-331.pdf
搭載誘導弾の長さは内舷から順に公示中の表24/18/13に即したものとして作っている。
見ての通り内舷ステーションに装着しようとすると、長さによっては降着装置に干渉する恐れがあることが判る。
また爆弾倉には想定される何れの長さでも収まらない。
http://www.heinkel.jp/images/p1raf.jpg
現在選定真っ最中の英国王立空軍向けP-1想像図。
YSF用モデルとして収録されてる方は塗装を大戦中の重爆風味にしただけだが、こちらはもう少し王立空軍の要求を考えてみたもの。
と言ってもSeaEagleを吊って空中受油プローブを追加しただけ、出来ればELTAのEL/L-8300も付けて見たかったが早さ優先で断念。
http://www.heinkel.jp/images/alrx.jpg
技本60年史に掲載された次期機上電波測定装置搭載改修後のC-2#1202号機である。
アンテナフェアリングに手間取った分、コンソールと座席はP-1から、コンソール類を載せてる架台はYCX用ダブルデッキオプションから流用してサクサクと済ませてる。
特にダブルデッキは実機でも流用とまでは行かずとも、参考なり影響なりはありそうである。
もっともALR-Xの試作は16年度から始まっており、YCXのダブルデッキオプションの方が後なのではないかと思われる。
加えて言うならダブルデッキの発想自体はもっと古くAn-70やIl-76で使われており、これらの影響がより強いY-20も同様の設備を使う為に非常脱出口を搭乗口より一段高い位置に設けている。