海自次期哨戒機についての覚え書き


海自次期哨戒機、通称P-Xは平成13年度より設計を開始、平成18年度現在は試作機の製作が主契約の川崎重工にて行われている。
P-Xの特記すべき点は第一に、C-1の後継として計画された空自次期輸送機、通称C-Xと設計や一部構造を共有し同時並行で開発が進められていることである。
対潜哨戒機と戦術輸送機という任務の大きく異なる機種を同時並行で開発するという例は、日本の航空機史は元より世界的にも珍しいことである。
二つ目の特徴として、P-Xは他機種からの転用でない純粋な対戦哨戒機として初めから設計された数少ない機体であることだ。
P-3Cやニムロッドなど、同カテゴリの機種の多くは旅客機などの転用であり、現在米国で開発されているP-8MMAも同様にB-737の転用である。
三つ目の特徴は、レシプロないしターボプロッポ等のプロペラ推進ではなく、ターボファンエンジンを搭載しているという点である。
ターボジェットあるいはターボファンを搭載している対潜哨戒機は現時点ではS-3バイキングとニムロッドのみで、これまで開発されてきた対潜哨戒機は全てプロペラ推進なのだ。
これらの特徴は必然的にP-Xの航空機としての性格に大きく影響しており、同時に同計画の批判材料として頻繁に見受けられる。
C-Xとの同時並行開発については開発費の高騰などが指摘されるが、現時点でこれを客観的に裏付けられる情報は皆無である。
あるいは無理に二機種を共通化しようとして開発が遅れるなどの批判も聞かれるが、果たしてどうだろうか。
ほぼ同時期に開発がスタートしたA-400MやP-8MMAは開発スケジュールの遅れや費用高騰などにより先行き不透明であるが、P-X/C-Xの開発スケジュールは現時点で何の遅延も報告されていない。
よって、ゲル長官が言い出したP-8との相乗りなど論外であると言うわけだ。
ターボファンエンジンを搭載することについては、巡航速度向上によって進出速度が上がる反面、低速域での機動性が損なわれるのではという懸念がある。
これについては実機が出来上がるまで判断は出来ないが、ニムロッドとS-3バイキングという前例が曲りなりにもある以上、大きな問題になるとは考えられない。
なお、P-X同様にターボファン搭載のP-8MMAでは低速域でのミッションをUAVなどで補完するとしているが、P-Xにおいてはそのような計画は現時点では存在しない。


ちなみに、P-Xは不確定ながら対艦ミサイルを8本懸架可能と言われており、搭載されるレーダーと併せて強力な対水上投射能力を持ち合わせることになると予想されている。
また富士重工案や三菱重工案などでは更にトリッキーな提案がされたと言われている。
内容は以下の通り。

FHI案P-Xの恐ろしさ
・30,000ftでソノブイを投下したと思ったら誘導爆弾みたいにこっちに飛んできた
・国籍不明の不審船の監視をしていたらうっかりスーパークルーズして衝撃波で転覆させた
・垂直降下して空対潜に改造したアスロックを発射したらそのまま突入し運動エネルギーで撃破した
・ソブレメンヌイ級が主砲を向けたら亜音速でフックかまして機首を向けAAM-5と機銃を撃ってきた
・滑走距離500mで離陸し直後に機首を上げ+70゚で上昇しそのまま音速突破した
・Su-30MKK小隊が2発づつアダー撃ったら全部AAM-4で迎撃して逆に1機につき2発づつ撃ってきた
・1ソーティで巡洋艦2隻、駆逐艦3隻、潜水艦2隻、戦闘機6機を撃墜して返ってきたが着陸のため兵装を捨てた
・対艦ミサイルを空輸していたと思ったら全部脱落し気づいたら敵艦隊を殲滅していた
・基地管制官のミスで着陸してきたA-10に押しつぶされたが逆にホッグがバラバラになった
・腹が減ったのに食いもんを忘れてたので仕方なくキッチンでビーフストロガノフとガーリックトーストを作った

FHIはP-XのPをPuisuiter(追撃機)かなにかと勘違いしたと思われる。