溜まってたネタ色々
搭載機材と値段について
年度も変わろうという時期に至ってP-1関係の情報が纏まってきたので、ガラクタ倉庫のP-1解説文に色々と情報を追加してみた。
搭載アヴィオニクスの名称と構成についてはここ最近の公示で大分判明している、と言う訳で型式名称と機能が判っているものを以下に書き出してみる。
型式名称 | 装置概要 | 製造元 |
HAQ-2 | 光波装置 | 富士通 |
HCQ-3 | データリンク装置 | |
HLR-109B | 逆探知装置 | 三菱電機 |
HPN-103 | 電波高度計 | |
HPS-106 | 捜索レーダー | 東芝 |
HQA-7 | 音響処理装置 | |
HQH-106 | 記録再生装置 | |
HRN-120 | UHF/VHF自動方位測定機 | |
HRN-121 | 衛星航法装置 | |
HRC-123 | 衛星通信装置 | |
HRQ-1 | ソノブイ受信装置 | 日本無線 |
HSA-107 | ソノブイ管制装置送信機 | |
HSA-108 | データリンク連接装置 | 川崎重工 |
HSC-20 | 符号変更機 | |
HSQ-102 | 磁気探知装置 | 三菱電機 |
HYQ-3 | 情報制御処理器 | |
N-RO-144 | 高速符号変更書込器 | |
DRY-00000 | 航空機戦術指揮装置用周辺機材 | 古野電気 |
各機材の構成については以下の通り。
型式名称 | 構成部品 |
HAQ-2 | センサ部/信号処理器/画像処理器/制御処理器/記録器/投降アクチュエータ/投降機構制御器/タレット投降制御パネル/機外タレット投降制御パネル |
HCQ-3 | データリンク処理器 |
HLR-109B | 前置増幅器/制御増幅器/固定空中線/回転空中線/低周波空中線/信号処理器/電源/受信機1〜3/低周波受信機 |
HPS-106 | 空中線/空中線電源/励振受信機/信号処理器/表示処理器 |
HSA-107 | 送信機 |
HSA-108 | 空中線切替器/データリンク連接器 |
HQA-7 | HSA-107ソノブイ管制装置送信機/HRQ-1受信機/HRQ-1受信機空中線/HQH-106記録再生装置 |
HRC-120 | 電力増幅器/制御器/送受信機 |
HRC-121 | 制御器*2/空中線整合器/送受信機 |
HRN-120 | 空中線/受信機 |
HRQ-1 | 前置増幅器/位置標定機/受信機 |
HSC-20 | 符号変更機 |
HSQ-102 | 検知部/ベクトル磁力計/増幅器/計算器/磁探信号処理器/カプセル |
DRY-00000 | キーボード/テンキー/トラックボール/ジョイスティック/スイッチパネル1〜2/表示パネル/外部記憶装置 |
DRY-00000だけは管理番号で型式名称じゃない気がするが、他に書き様が無いのでこれでのっけておく。
多分そのうち書き換えると思う。
でただ部品の名前書き出して終わるのもどうかと思うのでもう一つのネタ。
http://www.epco.mod.go.jp/about/pdf/20lifecyclecost_houkokusyo.pdf
去年の8月に装備施設本部が公開したP-1とF-2のライフサイクルコストに関する見積もり資料だ。
内容に付いては直接見たほうが早いだろうということで、ここでは他の装備と条件を揃えたLCC比較をして見ようと思う。
まず比較対象として真っ先に挙げられるのがP-8Aであろうが、公開されてるLCCの見積もり条件はP-1のそれと若干異なる。
なので1機当りのLCCを運用期間で割った数字を算定し、それを比較してみる。
機数 | 運用期間 | 総LCC | 1機当りLCC | 1年当りLCC | 1機1年当りLCC | |
P-1(H20) | 約70機 | 約20年 | 2兆2850億円 | 約326億円 | 1142億5000万円 | 約16億円 |
P-8A(FY04) | 108機 | 25年 | 440億ドル | 約4億ドル | 17億6000万ドル | 約1629万ドル |
ご覧の通り、P-1とP-8AのLCCは実質的に大差無いということになる。
ただしP-8Aの数字はFY04、つまり開発開始当初の見積もりであり、この点でもまだP-1と見積もり条件が異なっているのだ。
例えばこの4年間で航空燃料価格は倍以上にまで跳ね上がっており、P-1の場合は総LCCの1割以上が燃料費となっている。
またP-8Aについてもユニットコスト増大によりFY04の予算では88機か50機程度しか調達できない、というSTRATEGY PAGEの記事もある。
そういった諸々で補正して見たのが以下の表。
機数 | 運用期間 | 総LCC | 1機当りLCC | 1年当りLCC | 1機1年当りLCC | |
P-1(燃料費補正04) | 約70機 | 約20年 | 2兆1658億円 | 約309億円 | 1082億9000万円 | 約15億4700万円 |
P-8A(機数補正1) | 88機 | 25年 | 440億ドル | 約5億ドル | 17億6000万ドル | 2000万ドル |
P-8A(機数補正2) | 50機 | 25年 | 440億ドル | 8億8000万ドル | 17億6000万ドル | 3520万ドル |
F-2(H20) | 94機 | 約30年 | 3兆3467億円 | 約356億円 | 約1115億円 | 約11億円 |
A400M(0812) | 50機 | 30年 | 100億ユーロ | 2億ユーロ | 約3億3333万ユーロ | 約666万ユーロ |
燃料費補正後のP-1がFY04時のP-8Aより安く、機数補正後のP-8Aが現状のP-1よりも高いという結果である。
ついでにF-2とA400Mも並べて見たが、さてさてA400Mの数字を補正したりC-2を追加できるのは何時だろう。